ディグニクス誕生の背景 ― テナジーを超えるために
2019年4月、「ディグニクス05」の発売とともに登場したディグニクス・シリーズは、11年間王座を守り続けたテナジーシリーズをさらに上回る性能を目指し、9年もの研究開発期間を経て誕生しました。プラスチックボール時代に求められる「より強い回転」と「高い反発力」を高い次元で両立させることが開発の最大のテーマでした。
硬度
44°
09Cはシリーズ最高硬度の44°を採用
その核心にあるのが新開発の「スプリング スポンジX」です。従来のテナジーが搭載する「スプリング スポンジ」と比較して、ボールが食い込むときの変形しやすさが約14%、はね返るときの反発弾性が約3%向上しており、インパクトの瞬間にボールをより深く食い込ませてから、力強く射出することを可能にしています。
トップシートには、打球時の球持ちを重視しつつ、表面の摩耗耐久性を大幅に強化した独自配合の素材が採用されています。バタフライ独自の強度試験ではシートの強度が従来比で倍以上に向上したと報告されており、高性能を長く維持できる点もディグニクスの大きな特長です。
200種類以上のツブ形状
↓
試打・機械測定による再検証
↓
テナジー実績の3形状(No.05・80・64)を採用
05・80・64は、いずれもテナジーで実績のある3種類のツブ形状を踏襲していますが、09Cだけはそこに含まれず、新たに開発された「開発コードNo.209」という独自形状が採用されています。
No.209は「厚めのベース+細く低いツブ」という形状にすることで、粘着シート×No.209×硬めのスプリング スポンジXという組み合わせを実現し、強い回転をかける・ボールを持つ・ストップを短く止める・台上技術を安定させる・カウンターをしやすくする、といった粘着ラバーらしいプレーと、ハイテンションラバーの弾みを両立させることを狙った形状です。
※ツブの直径・高さ・間隔を具体的な数値(mm)で比較できる公式資料は確認できていないため、「厚め」「細く」「低い」という形状の特徴のみをご紹介しています。
ディグニクスは「ボールをよくつかむ」性質が強く、打球がスイング方向に飛びやすいため、テナジーよりも高い弧線を描く打球になるのが特徴です。まさに、これまでのラバーの常識を塗り替えた最高峰モデルと言えるでしょう。
ディグニクス全4種 個別解説
ディグニクス05 ― 回転による打球の威力
回転型
スピード 86
スピン 85
弧線 88
硬度 40
2019年4月発売、ディグニクスシリーズの先陣を切ったモデルです。高い回転性能が特長の"開発コードNo.05"のツブ形状を採用し、前中陣でのパワードライブやカウンターなど、回転を重視した攻撃的なプレーをハイレベルで求める選手におすすめです。
鋭いチキータや前陣カウンターを引き出す性能を持ち、テナジー05からのステップアップ先としても選ばれることが多いモデルです。「弾いて飛ばす」感覚が強く、より直線的で鋭い弾道が特徴という声もあります。
松島輝空選手や張本智和選手など、全日本選手権チャンピオンにも使用実績があり、シリーズの中でも特に人気の高いモデルです。
向いていない人: 軽い力で簡単に飛ばしたい方/硬いラバーが苦手な方
ディグニクス64 ― スピードによる打球の威力
スピード型
スピード 90
スピン 79
弧線 84
硬度 40
高いスピード性能が特長の"開発コードNo.64"のツブ形状を採用したモデルです。スピード90はディグニクス全4種の中でも最高値で、スピードドライブや引き合い、スマッシュなど、スピードを重視した攻撃的なプレーをハイレベルで求める選手に向いています。
シリーズの中では比較的軽量で扱いやすく、速いピッチでの打ち合いや決定力を求める選手から高い支持を集めています。
「とにかく速い打球で押し切りたい」というプレースタイルなら、まず候補に挙げたい1枚です。
向いていない人: 回転量を最優先したい方/台上での止めやツッツキを重視する方
ディグニクス80 ― 回転とスピードのバランス
バランス型
スピード 88
スピン 82
弧線 86
硬度 40
回転とスピードの高いバランスを求める選手向けのモデルです。05ほど回転に特化せず、64ほどスピードに特化しない、ちょうど中間に位置する性能バランスが特徴です。
どの技術も安定して入るという評価が多く、総合力の高いラバーとして支持されています。ディグニクス05より軽量で扱いやすい点も好評で、上級者がバック面に採用するケースも多いモデルです。
「どれを選べばいいか迷う」という方は、まずこの80を基準に検討してみるのもおすすめです。
向いていない人: 明確な回転特化を求める方/明確なスピード特化を求める方
ディグニクス09C ― 粘着性ラバーの最高峰
粘着型
スピード 79
スピン 96
弧線 96
硬度 44
2020年4月発売。ディグニクスシリーズの中で唯一の粘着性ハイテンションラバーです。厚めのベースと細く低いツブ形状が特徴の独自の「開発コードNo.209」を採用し、約8年もの歳月をかけて開発されました。
スピン96・弧線96はシリーズ最高値で、粘着性ラバー特有のパワフルな打球を生み出します。「高いテンションをかけるとシートの粘着力が低下しやすい」という従来の課題を克服し、弾みと回転量を高い次元で両立させています。
硬度44とシリーズ最高の硬さのため、扱いにはスイングスピードと技術力が求められますが、サービスやレシーブでの回転量、台上技術の安定性を求める上級者から絶大な支持を得ているモデルです。
向いていない人: 粘着特有の打球感が苦手な方/強いインパクトを作るのが難しい方